神威杏次 official blog

【俳優・映画監督・脚本家 カムイキョウジのモノローグ】

シャドウ

ある特定の他人に対して、

物凄くストレスを感じる時があるだろう。

「あいつのやり方、考え方がイラつく!」

「あいつ、あんな事をいいやがった、

(しやがった)。腹立つ!ウザイ!」

「あいつ」の事を思い出したら、

夜も眠れないくらいイライラしたり、

機会があればなにかで報復してやろう、

今度会ったら、逆にこんなことを言ってやろう…

くらい思ったりもする。

しかし、「あいつ」の「そういう部分」は。

実は…自分自身の中にある。自分でも気づきにくい、

自分そのものの「やり方」「本性」である事が多い。

潜在意識の中では「自分にはそういう嫌な部分がある」

事を知っており、そんな自分が嫌だ、もっと違う、

こういう考え方・やり方の人間になりたい!

という理想が強く有り、そうなろうと努力している

向上心の強い人間ほど、この罠にハマル機会が多い。

つまり人間は、

自分自身の影=シャドウに怯えたり、

イライラしたり、しているわけだ。

解消法はただひとつ…

「あいつ」に報復する事でもなければ、

「今度会った時にこんな事言ってやる」事でもない。

自分自身の中から、

その部分のシャドウを追い出すのだ。

仮に「あいつ」が

「出世のためには友達さえ裏切る最低な奴」

に見えて、そこがイラツクなら…

自分自身の中から

「出世のためには友達さえ裏切る(かも知れない)心」

を追い出せばいい。

難しいことだが、それができた時、

冒頭のようなイラツキはスーッ……と消え去る。

不思議なほどに。

敵は自分自身の中にいる。