神威杏次 official blog

【俳優・映画監督・脚本家 カムイキョウジのモノローグ】

悪魔の子供

子供の頃、鏡の向こうには、こちらの世界とは

すべてが反対の、別の世界があるのかも知れない、

などと考えてみたことがある。

 

反対…つまり、左利きが多数派で、字も反転していて、

時計は左回りにまわる。そんな世界があって、

お互いの世界は、鏡を介して覗きあうことができる。

今、自分が鏡をみている時、向こうの世界では、

向こうの自分が、同じく鏡をみているというわけ。

そういえば、8歳の時、深夜2時に合わせ鏡をして

悪魔の子供を捕まえようとして未遂に終わった。

 

大人になり、常識なんてモノに囚われだしてから、

なにかをした結果が、面白くない結果に終わることが

増えた気がする。

 

常識は、退屈という友達を連れてくる。

 

常識的なものか、やや常識から逸脱するものか、

の二者択一で物事を選択し、

常識的だという理由で前者を選んだ場合、

大抵の場合は、やはり、面白くない結果に終わる。

他のフィルターはさておき、少なくとも、

常識的かどうか、という観点を、

決定をくだすための指針にしてはいけないようだ。

 

普通はこうだから、

他の人もそうだから、

他人と、世間と同化していないと不安だから、

「赤信号、みんなで渡れば怖くない」から、

…う~;ん、それも否定はしないけど、

誰も渡らない赤信号を渡るから、得るものが

あるのではなかろうか?

あるいはどうせなら、

「青信号、なぜか渡らず待ってみる」

のほうがまだ面白い結果になりそうだ。

 

「他人と違うこと」に価値観を見出すほうが、

なにかと得策だと思うのだけども。

 

いつか、悪魔の子供を捕まえてやる。