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神威杏次 official blog

【俳優・脚本・演出家 カムイキョウジのモノローグ】主に、好きな映画の話に絡めて、神威が意味不明なことを書いているブログ。◆映画の話はネタバレご注意◆

すべては牢獄になりえる。すべてで自由は手にはいる。「パピヨン」

随分ひさしぶりに「パピヨン」を観た。

言わずと知れた映画界屈指の名作。

 

個人的に「閉じ込められた人間の葛藤を描く作品」が大好きだ。そういえば、過去に書いた脚本は、かなりの確率で「閉じ込められモノ」で、「カムイさんの脚本って、どうして必ず主人公が閉じ込められるんですか?」と、よく聞かれた。

 

小学生の時に観た「パピヨン」も、そんな、私の思考形成に大きく影響を及ぼした映画。

 

そこから逃げ出すことに一生を捧げ、最後の最後に自由を勝ち取る主人公・パピヨン

限られた世界の中で、ささやかな安息の地を作り出す親友・ディガ。

対照的な二人のイキザマは、どちらも正しい。

 

年老いた二人が、すべてを悟った二人が、孤島で抱擁するラストシーンは何度観ても泣ける。

 

それでも…

若い頃にこの映画を観た時には、富や名声、一時の快楽さえ与えられず、ただひたすら、自由を求めて一生を終える。すでに年老いてから漸く自由を得るパピヨンに、哀れみや儚さを感じたものだ。

 

今となっては…

人生に「儚さ」なんて、そりゃもう標準装備でもれなくついているものだと知った今となっては…また違う感銘を受ける。

 

必ずしも、何かを成し遂げる必要はない。

名誉も、特に追い求めるモノではない。

自由を求め続ける…ただ、その一点に価値がある。

しみじみ…そう思えるようになった自分がいる。

 

すべての世界は「牢獄」に成り得るし、

すべての世界で「自由」は手に入る。

大抵の人は、自分から牢獄に入り、

勝手に苦しんでいるだけかも知れない。

 

最後にパピヨンが天に向って叫ぶ。

「ざまぁみろ!俺は生きてるぜ!」

…熱い、熱すぎる。