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神威杏次 official blog

【俳優・脚本・演出家 カムイキョウジのモノローグ】主に、好きな映画の話に絡めて、神威が意味不明なことを書いているブログ。◆映画の話はネタバレご注意◆

「真剣な遊び」から生まれるなにか。

バンドを演ることになった。

…なんでや。

 

えらい久しぶりに楽器店に入って、ベースギターと、ピックやらエフェクターやら、

一式、買ってきた。ベースを抱えて帰宅する最中、何度も自分に突っ込んだ…なにしてんだ、オレ。

 

イイ歳こいて楽器を買って帰る自分の姿は、けっこう笑えた。

 

ベースを弾くのは17年ぶり。その前は19歳までギターを弾いていたから、

17年前からして、ベースを弾くという時点ですでに付け焼き刃なんである。もし今後、ライブを演るとなったら24年振りになる。

 

きっかけは数ヶ月前。

20代中盤にちょこっと一緒にバンドを組んでいた事もある昔からの盟友が、17年ぶりにライブを演った。今さらライブで歌うと聞いた時点で「え~!?」だったわけだけど、ディープパープルとレッドツェッペリンのコピーというこれまたベタベタな選曲ながら、とにかく、めちゃ楽しそうだった。

 

「あ、これ、オレもやりたい!」単純にそう思った。

 

ライブ後、飲み屋でバンド結成が決まった。

 

もちろん、音楽でプロになろうなんていまさら思うはずもない。遊びのバンド、70年代ハードロックのコピーバンド。

 

そういえば若い頃は、すべてに於いて目一杯の感覚でやってきた。俳優業にしろ

なんにしろ、常にギラギラしてテンパるやらツッパるやら…。とてもじゃないが「優雅に趣味の時間を楽しむ」なんて事には興味が向かなかった。そんな余裕がなかった。

それは、40を過ぎた今も、さほど感覚は変わってない。

 

いつからか、薄々、気付いていることがある。

 

遊びの中から…それも「真剣な遊び」の中からこそ、生まれるものもある。

 

1997年…だから、もう10年前になるけど、「デビルサマナー」という深夜ドラマのレギュラーを終えた時点で、それを区切りに、俳優業のスタンス変更を宣言した。

それまでの、目一杯のギラギラ感で臨むのはもうやめよう。俳優としては、楽しめそうなものだけ選んでやろう、と決めた。生活のためにやりたくない仕事を無理に請けるのもやめた。

そう決めてから、肩の力を抜いてから、

これが不思議なもので、意外に物事が好転することが多くなった。

 

自然体でいい、背伸びはしないで等身大でいい、と思っていると必要以上に緊張もしないし、むしろ良い結果が出たりする。嫌々現場に出る事もなくなったから、結果、良い仕事ができる。「俳優の仕事って面白い」と、前以上に感じるようにもなった。

 

そう、俳優業も、今の自分にとっては「真剣な遊び」。

そんなことを言うと、今でも目一杯やってる俳優仲間の中には怒る奴もいるけど、決して単なる「遊び」という意味ではない、という事は、わかる人はわかってくれる。

 

思ってもいなかったような副産物に出会うには、遊びの感覚を持ちつつ、でも真剣にやるからこそ生まれてくるものかも知れない。

 

さて、バンドもまた、それはそれで真剣に遊んでみる。

 そこからまた、何が生まれるかに期待しつつ…。