読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

神威杏次 official blog

【俳優・脚本・演出家 カムイキョウジのモノローグ】主に、好きな映画の話に絡めて、神威が意味不明なことを書いているブログ。◆映画の話はネタバレご注意◆

海がみたい

「人間にとって、幸せとは何か?」と聞かれたら、

「(生き方に)迷いがないこと」

「迷いなく、一生を走り抜ける事。」と答える。

 

30代前半、「ノッキン・オン・ヘブンズドア」という映画を観てそう感じた。当時、連載していた雑誌のコラムでこの映画を紹介して、その時にも、同じような事を書いた覚えがあるんだけど。病院で余命一ヶ月(だったか忘れたが、なんかそれくらい)と宣告された主人公が「人生の最後に『海が見たい』」と、まだ一度も見たことがない海を見るために病院を脱走する話。最近「ヘブンズドア」という題名で日本でリメイクもされた。

 

この映画の中で「もしかして、これがリアルなのかも」と感じたのが主人公たちが『底抜けに明るい』こと。余命一ヶ月だと云うのに、だ。

 

思うに、その明るさの理由は「人生に迷いがなくなったから」ではないか。

迷いがなくなると、人間は底抜けに明るくなる?うん、そうに違いない、きっとそうだ。…と悟った30代のカムイ。

 

なにせ、彼らにとっての希望はただひとつ「海を見ること」それだけなのだから。他には何も要らない。そして、今、そのために彼らは全力で走っている。その状態が「幸せ」と言っていい。だから、めっちゃ明るい。

……

実は今、ちょいと満身創痍ぎみ。

プライベートの仕事のほうでいろいろあり、過度のストレスと人間不信?やらなんやらで、体調を崩した。精神的に参って、それで体調を崩すと、それがまた精神にフィードバックして…なんて、負のスパイラルに陥る。

「健康でさえあれば、他の大抵のコトはなんとかなる。」なんて、それもまた、30代のカムイに言われそうだ。

 

世の中には、いろんな価値観がある。

複数の世界に関わって生きていると、本当にそれを痛感する。正反対の価値観でさえ、それが、双方、決して間違いではない。好きな道を極めてこそ…と言う人もいれば、

いや、世の中カネがすべて、と断言する人もいる。もちろん、両方、正解だ。

 

間違いがあるとすれば、片側から、反対側を否定すること…

無闇に他者を否定することだけだ。

どんな世界に首を突っ込んだ時にも、共通して感じるのは、そこで頑張っている人の「迷いのなさ」。

好きなコトをひたすら追求して生きて、あるいは世間知らずかも知れない。幼い頃から勉強一筋で、遊びを知らないまま一生を終えるかも知れない。カネ儲けばかりを追いかけて、本当の人間の温かみを知らないかも知れない。

 

それでも、そこに迷いがなければ、人間は充分に幸せなのだ。

 

なんだか偉そうなことを書いているオレはというと…

思い切り「迷走」中。

いつかまた、迷いなく一直線に走れる日を切に願いながら…。でも…もしかしたら、映画の主人公たちのように、死ぬ間際になって、やっと迷いが消えるのかも…。

 

海はどっちだ。

 

カムイログ