神威杏次 official blog

【俳優・映画監督・脚本家 カムイキョウジのモノローグ】

やるからには…

本日は某・映画の衣装あわせ。

「諸事情で、しばらくスケジュールがとれない。」と、一度は丁重にお断りした仕事ではあったけど、数日後、「年末に一日、来年3月に一日、計2日間で、なんとかなりません?」と、あらためてのオファー。

 

こんなワガママ俳優に、そこまで考慮してくれるなら、これはやらせていただかないと失礼、と請けた仕事。

 

ほぼワンシーンの「狙い」仕事。

つまり「ワンシーンだけど、狙いで強烈なキャラが欲しい」という場合に、カムイが呼ばれるパターンです。

 

衣装は「黒のロングコート」…定番中の定番。過去に何度、同じコンセプトの衣装を着たことか。残念ながら、衣装あわせではお会いできなかったけど、台本のスタッフ表に懐かしいお名前が…劇団☆新感線に所属する衣装デザイナー・竹田団吾さん。

 

1995年ごろに何度か現場でお世話になった方で、大阪芸術大学の先輩でもある。

最初にダンゴさんとご一緒させてもらったのは「ジャスキス」というVシネマ。

 

カムイログ

 

作品の出来としては、残念ながらトホホなレベルではあるけど、キャラクターデザインに雨宮慶太さん、衣装がダンゴさん、となぜかスタッフは豪華。雨宮さんの映画でメイキングを撮っていた三ッ浦孝さんが監督、企画当初に、三ッ浦さんから企画書を渡され

「これは、カムイさんありきで考えてる企画だから、出てもらわないと困るんス」と、嬉しいお言葉。企画から参加できるというのは、俳優としては特に嬉しいコト。

 

僕が、映像で初のキスシーンをやった作品でもある…んだけど…。

当初、台本では、主演の穴井夕子ちゃんとのキスシーン…のはずが、ダンゴさんが作ってくれた衣装の首の部分が太すぎたために、どうしてもキスができない!何度か試したけどやっぱり無理…仕方なく、穴井さんとは「やったふり」で終わり、

 

男の(!)菊池健一郎クンとのキスが、僕のキスシーンデビューとなってしまいましたとさ。この時は、本気でダンゴさんを恨みました。

………

昔、良く現場で会った人が、今もまだ頑張っているのを知った時…なんだかホッとした気持ちになる。

 

当時、仲が良かった人、決して仲が良いわけではなかった人…すべて含めて、もはや「ノーサイド」。今思えば、すべての人が「同志」だった。

 

夏に撮ったドラマの現場で、殺陣師の中瀬博文さんとも同じ話をしてたんだけど、昔は、現場にいけば、まず必ずといっていいほど、どこかに知り合いがいたけど、今はほぼ知らない人が中心。

いつのまにか世代交代してるよなぁ、

いつのまにか、あの頃が「昔」になっちゃってるよなぁ、

などと実感させられる。

 

同じように、逆に、なにかで僕をみかけて「お、神威さん、まだ頑張ってるじゃん。」と懐かしく思ってくれてる人がどこかにいるんだろうな、と思うと…

どんな状況であろうと、たとえカラダが悲鳴をあげようと、

 

やるからには…。