神威杏次 official blog

【俳優・脚本・演出家 カムイキョウジのモノローグ】主に、好きな映画の話に絡めて、神威が意味不明なことを書いているブログ。◆映画の話はネタバレご注意◆

平成版「愛と誠」

「愛と誠」

 

ご存じ、梶原一騎先生の昭和の名作、カムイはこの漫画…昔からかなり好きです。

 

どうやらこの漫画、時代背景との密着度が極めて高いせいか、世代が変わるといきなり、理解不能・ギャグでしかない・面白くない、という評価になる場合もあるようです。

 

そんな難解な名作を鬼才・三池監督が再映画化した「愛と誠」…やっと鑑賞。

 

 

いや~これはすごい。

 

あまりにもふざけた脚本・演出に開始30分は強烈に戸惑うこと必至だけど、そこは途中で投げ出さず、なんとか我慢していれば(笑)いつしかツボに入ります。そして、その後は、節々で「もういいよ、歌うなよ~!ここは歌うなよ。…歌うんかい!」という展開にハラハラできます。

 

そう、冒頭に書いたように世代によってはギャグにしかならない原作を本当にギャグにしてしまうことで、むしろ「愛とはなにか」「愛とは戦いである」…これも言葉にしてしまうと陳腐すぎて笑ってしまうようなテーマを先に笑わせてしまうことで中和させる作戦ではないか。先手必勝?

 

なんて勝手に解釈してますが、実のところは、なにも考えてなかったりして。作る側って、意外にそんなものだったりする。

 

「愛する人の幸せが僕の幸せだ」なんてセリフ、完全なギャグキャラと化した岩清水くんに言わせるからこそ、肌寒くなく素直に聞くことができるのではないか。

 

誠の母親を演じる余貴美子さんの、線路での自殺未遂?シーン、この芝居がまたスゴイ。ここは泣ける。究極の愛は、母親の子どもに対する愛だ。無償の愛。

 

それにしても、原作をまったく知らない人が観た場合、どこまで作品の意味が伝わるものなのか…そこが不明だけど…もしかしたら、意味なんて考えちゃいけない映画なのかも知れない。

 

昭和は戦いの時代だった。そして、愛は、いつの時代も戦いだ。

 

『愛は平和ではない

愛は戦いである

武器のかわりが

誠実(まこと)であるだけで

それは地上における

もっともはげしい きびしい

みずからをすてて

かからねばならない

戦いである』