神威杏次 official blog

【俳優・脚本・演出家 カムイキョウジのモノローグ】主に、好きな映画の話に絡めて、神威が意味不明なことを書いているブログ。◆映画の話はネタバレご注意◆

同じ壊れかた「赤い航路 BITTER MOON」

軽~く壊れた人が大好きです。

完全にぶっ壊れてしまうと、ちょっと困るけど、軽~くイイいい感じに壊れてる人は大好きです。

そんな僕も、いつからか慢性的に、間違いなく、軽~く壊れています。

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ロマン・ポランスキー…この人も壊れてる。

「赤い航路」(原題:BITTER MOON)1992 

簡単なあらすじ…、

『結婚7年目の夫婦・ナイジェルとフィオナは豪華客船で地中海クルーズに出た。極めてマジメ人間のナイジェルが、船上で、車いすの作家・オスカーと妖艶な妻・ミミに声をかけられ、彼らの馴れ初めから現在に至るまでのアブノーマルな身の上話を聞かされるうちに、みるみると壊れていき、やがて健全だった夫婦関係も…。』

 

船上という密室、オスカーの語りが主軸の回想、たまに現在の状況に戻る…というプロットは個人的に大好きで、脚本を書く際にも得意なジャンルではある。

なによりプロットが面白いので…これは、監督のポランスキーというよりは、原作の小説が良いのかも知れない。

昨年公開の「ニンフォマニアック」と非常にテイストが似ている。「淫乱オンナの身の上話を聞くのが、60歳の童貞オヤジ」という美味しすぎる設定だった「ニンフォ~」に対して、こちらは「ぶっ飛び夫婦の身の上話を聞く健全な夫婦。」もちろん、両者とも最終的に壊れます。

中年男オスカーとミミの歳の差恋愛、一瞬にして恋に落ちる二人。前半の「出会い」部分のキラキラ輝いた姿が美しい…だけに、中盤以降の憎悪に満ちた復讐合戦が一段と痛々しい。切なすぎて、観ていても辛い。

ちなみに、僕は、このオスカーの長い独白が、実はまったく事実無根の作り話だったのではないか?と裏読みしています。ミスリードみたいな形で観客を騙す方向。それはそれで、きっと面白い結末になると思います。

教訓的なお話なので、彼女(彼氏)とつきあってそろそろ×年…な人が観ても、なにか感じる部分があるのでは?

普通のクスリじゃ効かない。この際、毒が欲しい、という人ならぜひ。

あ、もちろん賛否両論な映画です。

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たまに、まるで自分が書いたんじゃないかと錯覚するくらい、センスがピッタリ合致する作品に出合います。

この映画も、そのひとつ。

思うに、それは「人間の壊れ方の度合い」が合致した時ではないかと。

僕も軽~く壊れているとはいえ、とことん壊れまくった人の作品は、やはり理解不能だし、面白いとも思わない。ついていけないんですね。

自分と似たタイプの「壊れ方」をしている人の作品が、一番、理解できるしツボに入る。

それは、普段の人間関係や会話もそうなのかも知れない。

優等生発言は優等生というくらいだから優等なんでしょうけども。

僕としては、ちょっとくらい壊れている人のほうが、真実に近い話ができるように思います。慢性的な壊れか、一時的な故障かに関わらず。

というわけで、

 

軽~く壊れた人が増えると僕としては生きやすいので…、

みなさん、ぜひ、たまに軽~く壊れてください。