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神威杏次 official blog

【俳優・脚本・演出家 カムイキョウジのモノローグ】主に、好きな映画の話に絡めて、神威が意味不明なことを書いているブログ。◆映画の話はネタバレご注意◆

不気味の谷と3Dアニメ

  以前から、劇場版ドラえもんに出てくる、のび太やしずかちゃんに嫌悪感があった。

 「好き」とか「嫌い」じゃなく「怖い」。
  どうやらその理由は「不気味の谷」。

 3Dアニメの登場人物(動物)の造形が、僕にとっては不気味の谷に抵触しやすいらしい。

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人間のロボットに対する感情的反応について、ロボットがその外観や動作において、より人間らしく作られるようになるにつれ、より好感的、共感的になっていくが、ある時点で突然強い嫌悪感に変わる。
 対象が実際の人間とかけ離れている場合、人間的特徴の方が目立ち認識しやすいため、親近感を得やすい。しかし、対象がある程度「人間に近く」なってくると、非人間的特徴の方が目立ってしまい、観察者に「奇妙」な感覚をいだかせるのである

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(wikipediaより)

 「不気味の谷」をご存じない方は、後でいろいろ検索してください。

  ジブリのアニメがいまだに昔ながらのアニメに近いことや、世のアニメがなんでもかんでもフルCGにならないのは、きっと、作り手が細心の注意と警戒心をもって「不気味の谷」を意識しているからではないかと思う。

 昨夜「ルドルフとイッパイアッテナ」というアニメ映画を観た。児童絵本が原作。子供向けの感動作で内容的には面白かった。ちょっと泣いた。

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「ルドルフとイッパイアッテナ」2016

 でも、そこに出てくる猫たちや人間の顔が、やっぱりちょっと「気持ち悪い」のです。自分的には、他の3Dアニメに比べたら不気味の谷の度合いは低いですが。それでも少し。

 「マカロニほうれん荘」のきんどーさんは目が大きい。「ベルサイユのばら」のオスカルの顔は半分くらいが目だ。でも気持ち悪くない。なぜなら2次元だから。

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 きんどーさんみたいに目の大きい人が本当にいたら怖い。あんな人はいない。でもSNS上にはたくさんいる。
 女の子がプリクラで盛り盛りにした顔写真や、編集ソフトで目を大きく加工した自撮りをSNSにあげているけども、あれもあきらかに「怖い」。美容整形で本当に目を大きくしてたらもっと怖い。

 映画やアニメでも、年配の人の顔ほどCGであっても違和感を感じなくなる。それはシワなどのディテールが多いから。ごまかしやすいんですね。それが、すっきりとツルツルの若い人の顔になるほど、不気味の谷に落ちやすい。

 「ルドルフ~」は、物語は感動できて面白かっただけに、猫の目の異常な大きさや、表情の中途半端なリアルさが最後まで気になってしまった。 

 不気味の谷とは関係ないけど「ルドルフと~」の中に『主人公の猫が冷凍車に乗り込んでしまい、救出されたときにはカチンコチンに氷づけになっている。それを割って助ける。』というシーンがあった。それが2次元アニメならなんの問題もないシーンだけど、3Dの中にマンガっぽい設定が入ると強烈な違和感を感じるのです。
「氷づけになったら、あんなに無事ではいられないだろう。ありえない。」と考えてしまう。違和感というか疑問、ですね。従来のアニメならそんなこと思わないのです。

 周りの景色がリアルであれば、人は自然に、そこにリアルを求めるんですね。ファンタジーにしたければ、ギャグにしたければ、全体をリアルに作りすぎちゃダメなんだと思います。

 同じ意味で「猫が笑う」ことにも嫌悪感が満載。
イッパイアッテナの毛並みの再現度は素晴らしく、キャラクター設定もよかったけど、あの笑い顔だけは怖かった。それも従来の2次元アニメなら問題のないことなのに。

 思うに、3Dアニメでリアルを追及するなら、登場する猫たちの造形にももっと注意を払ってほしい。いっそもっとリアルな猫の顔にしたらどうなるのだろうか?さらに不気味の谷に落ちるのだろうか。 

 いや、いっそ普通に2次元でいい。

 子供に見せる映画。これからの人間の人格形成にも大きく影響することだけに、先行きがちょっと怖い。

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 あ、「ルドルフとイッパイアッテナ」の物語は本当に良かったですよ♪

「怖いからししゃもを置いてくんだ」なんてセリフもいい。

普通に楽しんで観れるのでお勧めです。

不気味の谷に落ちなければ。

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▼詳細なあらすじや、他の部分はこちらに書きました。

※最近新しく作ったブログなのですが、通常のブログに映画のあらすじなどを書くと、やたらに長くなってしまうので、映画の内容だけ別ブログに分けた次第です。

cinema.kamuin.com