神威杏次 official blog

【俳優・脚本・演出家 カムイキョウジのモノローグ】主に、好きな映画の話に絡めて、神威が意味不明なことを書いているブログ。◆映画の話はネタバレご注意◆

肩書き論争…なんてことになっていたらしい。

 今さらながら「肩書き論争」なるものが起こっていたらしい。

 俳優なんて自由業が長い(長かった)僕らの間では、とっくの昔に散々繰り広げられた話ではありますが、自由な生き方…なんてものが増えてきた昨今、あらためて再燃するのも当然の成り行きなのでしょう。

 「はあちゅうさん」と言う有名な女性ブロガーさんが「私は作家。ライターではない。」とブログに書いたところ、他の方が「貴女は作家じゃない。ライターだ。」などと発言して、あれやこれや議論が広がっていたとか。

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 先に痛い話をひとつ。
 僕は20年くらい前から「肩書き=神威杏次」と言ってました。その時は、それがちょっとワザアリな言い方に思えたからです。
 今や、そんなこと言うと「痛い」と思われるということを学習したので最近はやめてます。そこは、はあちゅうさんも同じことをいっていて「職業=はあちゅう」とするのが本当は一番しっくりくるけど、それは「私を知りたければ自分で調べて」と言っているようで、とても傲慢だと。確かにそうです。そりゃそうだ。もうその手は絶対に使わないでおこう。

 今さらながら…僕にとっての「肩書き」は…
「自分が何者か」を相手に知らせる必要があるときに、なるべくわかりやすい呼称を伝えてその後の会話を円滑に進めるための便宜上のツール…だと認識しています。わかりやすさが最優先なので、少々実態と違っていてもたいした問題ではないです。

 今回の論争も、それと同じような結論に帰着したんだと思います。知らないけど。それ以外に帰着点がない気がするので。

 会社員であれば、会社名と社内での役職を伝えれば簡単なわけなので苦労はないです。そうじゃない限り、肩書きってけっこう面倒くさいのです。

 で!そこで、はあちゅうさんが「私は作家」と自分の肩書きに拘ったのは当然のことではないでしょうか。拘るといっても、肩書きの社会上の優劣(なんてものがあるとしたら)に拘ったのではないでしょうし、他者と接する時に自分にとって便宜の良い肩書きをチョイスするのはその人の勝手だから。
 そして、それにより「見られ方」が変わるわけなので,自分が決めるべき自分の肩書きには拘って当然なのです。そこに絡んで「あなたは作家じゃない」と、他人の肩書きに拘る意味がわからない。きっと他に、そう言いたくなった理由があるのだと思いますが。たとえば、その方が「とにかく、はあちゅうさんがウザい」と思って文句をつけたかった、とか。それなら仕方ない。

 確かに、肩書きにやけに拘る人はいます。自分の肩書きじゃなく「他人の肩書きに」です。拘るというか反応する、ですね。
 たとえばSNSで一緒にいることをアピールする時に、「〇〇さん(〇〇会社代表取締役)と一緒です。」なんてわざわざ肩書きを書く人はいますよね。どうしてわざわざ書くのか…はあえて何も言いませんが。 

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 世間に認められたモノが肩書きだと言うのなら法務局に登記された「取締役」や「監査役」以外のほとんどの人には、肩書きがなくなってしまいます。
 また、登記されているものを肩書きというのも違います。数万円払って自分で会社を作れば、誰でも「代表取締役」なんて成れてしまうからです。
 便宜上、会社を経営しているアピールが必要なのであれば「僕はどこそこ会社の社長です。」を自分の肩書きに選ぶのはまったく正解だと思いますが、ただ登記されてるから「肩書き」ではない気がします。それは、確定申告の時に使う呼称「文筆業」とか「演奏家」に近い感覚、お役所用というイメージ。

 とはいえ、20代の時に初めて「職業:俳優」で確定申告したときは素直に嬉しかったし、30代で初めて会社を作ったときはなんだか偉くなったように錯覚しましたけども。

 話がずれますが…
 俳優が、自己紹介するときに「〇〇〇〇(所属事務所や劇団名)の誰それです」というのが、個人的に大嫌いです。俳優は原則として個人事業なので、事務所や所属をアピールすることに違和感を感じる。だいいち事務所名なんて聞いても仕方ないですし。
 事務所や所属団体にめっちゃ依存してる感がするのです(そうではないのでしょうけど)。そういえば、どうやら演劇の世界では、公演のチラシの自分の名前の下に所属事務所名を入れるのが慣習になっているらしいのだけど、あれもカッコ悪い習慣だなぁと思って見ています。
 
 ちなみに僕は、最近、どこかで自己紹介するときには「元・俳優」を好んで使っています。俳優って、引退とか休業とかあまり意味がないので、別にいまだに「俳優」でもいいとは思っていますが、さすがにこれだけ現場に出ていないのに「俳優です」なんて言うと、今でもずっと頑張っている人たちに申し訳ない。

 で、この「元・俳優」…めっちゃ楽です。余計な会話を省くのに絶大な効果を発揮します。「俳優」という時点で、他者にさほどメリットを与えない存在なうえに加えて「元」だから、相手に変な期待を抱かせなくて済むんですね。
 より迅速に「そういうわけで炭水化物は好きですか?」なんて話題に移れます。
 昔の僕を良く知ってくれている人や、昔話に興味を持ってくれる人には、もちろん喜んで話をさせてもらいますし、そのパターンでなくても、たとえば僕と一緒に遊びたいといってくれる人がいるなら喜んで一緒に遊びますが、そうでもなく、肩書きを聞くことでなにかしら判断材料にしようという思惑が見え見えの人には、そもそもマジメに答える気がしない。

 もうちょっとマシな肩書きを使ったほうが、飲み屋で、今よりちょっとだけモテるのかも知れないですが、いろいろ説明するほうが面倒くさい。だからあえての「元俳優」なんです。生きてくうえでの肩書きはそりゃいくつかありますが、手段でしかないものを自分から名乗る気にはならない。

 

 この「肩書き論争」…ひとまず「肩書き=カムイキョウジ」なんて言うのはダサい…ということに気づかせてくれただけで充分です。ありがとうございました。