幽霊、怪物、ホラー映画、暴漢、天災…、
人間が怖いものはたくさんあるけど、結局、なにが、どの部分が怖いの?と考えてみたら
「正論が通じないモノ」という答えになった。
つまり、山で熊に襲われても、相手に言葉が通じて「おいおい、ちょっと待ってよ。ひとまず話し合おう」「…うん、わかったクマ。」てな具合で事が進めば「だろ?じゃ、お前がオレを襲っていい理由はないわけじゃん?」「うん、ごめん。帰るクマ。」となって全然怖くない。むしろちょっとカワイイ。
熊が、自分の空腹を満たしたいという欲望と利益のためだけを考えて襲ってくるから、怖いのだ。
「理由もなく、暴漢に襲われる。」
「何もしてないのに、怪物に喰われる」
「運悪く、天災に見舞われる。」
…なんてことが怖い。
つまりは「理不尽な攻撃」が怖いということになる。
そう考えたら、なにも、怪物だのホラーだのに限らず、怪物に匹敵する「正論の通じない相手」は普通に周りにいる。
人間が人間に対して行使する「理不尽な攻撃」ほど怖いものはない。
それも、本人に悪意があるほうがまだ救いがある。それが正義だと思い込み、罪の自覚がない方が厄介。中世ヨーロッパの「魔女狩り」しかり。
デビルマンが、自分が守ろうとした人間の本質や愚かさを目のあたりにした時に叫んだ名セリフが頭に浮かぶ。
「地獄へ落ちろ、人間ども!」