ひさしぶりに、竜童組の名曲「ザ・カムイ(THE KAMUI)」を聴いた。
実はこの曲が好きだったから、後々「神威」と名乗ることになったと云う、僕にとっては一生忘れられない曲なんです。
1987年頃に、当時ダンスを教えてくれていたダンサーの女性がジャズダンス用にこの曲を使っていて、そこで聞いたのが最初。30人くらいのダンサーが全員ハッピを着て踊る振り付けがカッコ良かった。3部構成の楽曲は壮大なイメージで、人生を凝縮して表現したような重厚感に溢れている。「カッコイイ曲だなぁ!」と。
1991年、事務所に入ってポチポチ仕事が入りだした頃、当時の名物マネージャー・K氏が「う~ん、名前が面白くないなぁ。」と言い出した時(いや、名前に、面白いも面白くないもないんだけど)僕はとっさにこの曲を思い出して「苗字はカムイで行きたい。」と。漢字を調べたら「神威」と書いたらカムイと読むらしいと知り。
「それなら名前は「狂児」でどうだ?昔、杉狂児という役者がいてな…。」
同席していた今は小説家の黒川蛇楽も笑いながら「神の威で狂う子供、最高じゃん!」と、他人事だと思って無責任に盛り上げる。
で、その日のうちに、僕は「神威狂児」になった。のちのち気分転換で改名したけど。
ちなみに「神威」を固有名詞に使ったのは、日本で(世界で)おそらく僕が最初のはずです。
カタカナなら漫画家の藤原カムイさんとか、カムイ伝のカムイがあったけど。漢字の「神威」は他に居なかった。数年後にたまたま映画館で「X」というアニメの予告編を目にして、主人公が「神威」という名前だと知って「ありゃ?」と思ったのを覚えている。このアニメとガクトさんの影響か、その後、バンド名やゲームのキャラクター名、ネット上での個人のハンドルネームまで…やたら使われだしたけど。最近はプロレスラーでも神威ってのがいるらしい。
なんだか「神威」がオタクっぽいイメージになってしまったことは、自分的には大いなる誤算。
NHKに営業に行った時、プロデューサーに「その名前じゃ使えない。」と言われ、「そうですか、わかりました。」と退散。K氏と二人で帰り道に爆笑したのを覚えている。
「ここも終わってるわ。お前にNHKは必要ない。なぁ神威。」
「ま、別にいいスよ、紅白歌合戦に出たいわけじゃないし。」
もちろん「神威」が問題じゃなく、下の「狂児」が問題だったわけですが。
当時、K氏と僕と黒川蛇楽の3人で、まるで演歌歌手のように、日々、局や制作会社を廻る営業活動をしていたんですが、それはいろんな意味でハチャメチャだった。今思えば面白かったけど。
そんなイケイケドンドンな頃の僕にとって「ザ・カムイ」は自分のテーマ曲くらいに勝手に思っていて(プロレスラーなら入場曲みたいな感覚。)撮影現場に向う時は、ヘッドフォンで必ずこの曲を聴いて気合いを入れながら原付バイクを走らせたもんです。。
まぁ、そんな僕の勝手なノスタルジーはさておき、「和と洋の融合」を見事に果たした、金字塔と呼べる名曲です。。