とある強烈な女性作家の小説を何作か読ませていただく機会に恵まれた。
ご本人から承諾をとっていないので、その方を特定できる情報は書けないけど。実は、ご本人が俺宛てに「読んで欲しい」と何冊か、わざわざ送ってきてくれているのだ。
それが、仮にまったく興味のない作品であれば少しは重荷に感じたかも知れないけれど、興味がないどころか、その小説たちの中身たるや曲がりくねった俺の感性を刺激するに充分な、とてつもない飛距離があった。
飛距離…自分とは遠く離れた世界をつくる力。
これは、彼女の作品を評したある作家の言葉の受け売りなんだけども。
遠く離れた…というのは物理的な意味ではなく「その年代の人間に、あるいは女性に、
その感覚があるの?普通ないんだけど?」という意味。時代や性別を軽く飛び越える力。
例えば、うらぶれたアパートの描写など、まるで本当に昭和の時代に4畳半アパートで
生活していたのでは?と思うほどリアル。小説の書けない、脚本もどきの進行台本しか書けない俺としては、その表現力にただただ感心、感服。
具体的に書けないのがもどかしいけど、とにかく、とても若い女性が書いたとは思えない、驚愕すべき意外性に富んだ内容なわけです。
思えば、俳優も、飛距離を求められる商売だ。
いかに、期待に応えながら期待を裏切るか。
いかに、ホームランを打っちゃいけない場面で、ホームランの2倍くらいの距離の大ファールを打って驚かせるか。
なんだか最近、妙な刺激が多い。
良いこと悪いことごちゃまぜで。
身の周りでいろいろ起こる。
この賑やかさは…
なにかの前ぶれか?
あるいは、俺もうすぐ死ぬのか?