ライオンAはシマウマさんを食べました。
お腹がいっぱいになりました。その後に、シカさんが通りがかりました。ライオンAはお腹がいっぱいなのにシカさんを追いかけるのは無駄な労力なので、無視して寝ることにしました。zzz
ライオンBもシマウマさんを食べました。
お腹がいっぱいになりました。その後に、シカさんが通りがかりました。ライオンBはお腹がいっぱいだけど、隣のライオンCに高く売れると考えてシカさんを殺しました。
でも、ライオンCもお腹がいっぱいだったのと、そもそもお金を持っていないので断りました。ライオンBは考えた末、まったく必要ではないんだけど、シカさんの皮を剥いで皮ジャンを作りました。ツノは、まったく必要ではないんだけど、ハンコにしてみました。
「これで俺は他のライオンと違うぜ。」優越感を覚えたライオンBは、以降も、獲物を捕れるだけ捕ることにしました。
賞味期限の切れたシカは捨てました。
そのうち、ライオンBの縄張りには獲物がいなくなりました。
草を食べてくれる動物もいなくなったので、雑草がボーボーに生えてきました。悪い害虫を追い払ってくれる良い寄生虫もいなくなり、環境も悪くなりました。
住みたくないサバンナ1位に選ばれました。
食べ物を捕れなくなったライオンBは、奥さんライオンに愛想を尽かされ離婚されてしまいました。奥さんライオンは子供を連れて実家に帰ってしまいました。
気持ちがすさんだライオンBは、
ついに覚せい剤に手を出しました。
なんなら不倫もしていました。
あかんやん
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人間を含む動物は、
他者を捕食することで生きていく。
これは大昔からの常識であり、他の動物を殺して肉を食べるのも植物を引っこ抜いて食べるのも、それが生きるということ。それ自体は非難されるものではない。
ただ、それは、正常な食物連鎖、獲物との共存共栄を維持してこそ成り立つもの。
ライオンでさえ、必要以上に獲物を捕ることは、のちのち自らの首を絞めることになると本能的に理解しているのではないか。
ライオンB=人間はそれ以下ということになる。
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ただ、個々の意識の中ではわかっているはずの人間が、愚かな行為をやめられない絶対的な要因は、資本主義。
以前に「ザ・コーポレーション」という映画を観た。
なにかとお騒がせのマイケル・ムーア監督によるドキュメント映画。
法人という人格…企業が日々行っている行動を、ひとりの人間に置き換えて見ると、それはもう『完全なるサイコパス』だと実証するドキュメント。
・サイコパスの特徴
口達者で一見、魅力的
非常によく嘘をつく
その嘘がばれても平気
同情を引こうとする
無責任で問題行動が目立つ
反省しない
責められると逆ギレする
感情が浅く思いやりが無い
強欲
自己中心的
それらの自覚がない
…等、等、
資本主義とは、利益を最大限に追及すること。法人の存在理由も同様。法人は利益をあげなければ死んでしまう。自己中心的になるのも仕方ない。
でも、ライオンと違うのは「必要なものを必要なだけ捕る」ことをせず、たとえ後で困ることになろうと、捕れる時にできる限りの量を捕り、目先の利益に変えようとすること。拝金主義に問題がある。
とはいえ、いまさら資本主義が悪いと言ったところで僕らにはどうしようもない。
考えるべきは、そんな法人も、中身は人間であり個人の集まり。法人格に責任を転嫁しながら、実際に手を下しているのは人間だということ。
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ところで…、
巷では、マクダナウのハンバーガーが腐らないとか、もはや食べ物ではないとか。物議を醸している。いや、物議ではなく一方的にボコられてる。
なんでもかんでも、安全基準だ、保存料がどうだ、身体に悪いだ…とヒステリックに騒がれるようになったけども、考えようによっては「食べ物を腐らせない薬品」って凄いじゃないか。
やたら短い消費期限を過ぎるなり、まだまだ食べられる「他の生き物の死骸」を捨てるほうがよほど狂ってる。
身体に悪いといっても、人間が50年生きられなくなるようなものでもないだろう。平均寿命が少しくらい縮んだところで、人間という種は絶滅しない。
トラは絶滅しかけてるんだ。
クジラやウミガメもいなくなりそうなんだ。
…いや、いたところで、普段、そうそう会わないけども。
でも「どこかにいる」と「どこにもいない」は、まったく違うじゃないか。
そのうち…他の生き物がぜんぶ絶滅して、人間しかいない地球?
そんなの満員電車の中がぜんぶ男、みたいなもんじゃないか。
そんな息苦しい地球なら、
生きていたくもない。