現在、衛星放送で放送中の「バトルシップ」(2012年アメリカ)
これ、公開当時に映画館で観ました。
特にこれ観よう!で行ったわけではなく、ドライブと食事ついでに、たまたまやってたのを観た。
これがアホみたいに面白かった。
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「難しいこと考えたくないけど、なんか観よう」に絶好の娯楽映画。
物凄い予算からして、おそらく本人たちは大作を作るつもりでいたのではないか。それが、突っ込みどころ満載のB級映画になってしまってるところも笑える。
対象年齢:中学二年生
ここまで中二に徹してくれると爽快。僕は精神年齢が中二なので何の問題もない、
浅野忠信さんが準主演。
日本人が脇役ではなく完全に二番手。もちろん英語。
「パールハーバーに攻めてきたエイリアンを、日本人とアメリカ人が力を合わせて倒す映画」
途中、原作であるボードゲームの要素を取り入れた疑似レーダー作戦で、浅野さんが指揮をとります。
攻撃指令「ファイア!」がカッちょいい!
後半の見どころ。
1)船をすべてやられて途方に暮れる。さてどうしよう。
2)まだ1隻あるじゃないか。
3)記念に展示してあっただけの70年前の軍艦・ミズーリ号でいこうや。
4)まじか。
1)若いひと「こんな古い軍艦、使い方、わかんねーよ。」
2)全員90歳くらいのジジイたちが颯爽と現れる。
3)ジジイ「わしらに任せとけ」
4)まじか。
エイリアンの砲撃をめっちゃ被弾するも、ジジイの「戦艦が簡単に沈むか、ボケ!」のひとことで解決される。ジジイすごい。
序盤の30分、まったく余計なシーンが続いてかったるいですが、異星人が登場してからは怒涛の展開!
都合のよすぎる展開も、突っ込んじゃいけません。迫力のCGをなるべく大画面モニターで楽しむ映画。
◆中盤、リアーナが船上で異星人のアタマに至近距離からバズーカをぶっぱなすところ。
◆後半、万事休すのところで、空飛ぶタイヤを○○○○が○○○○するところ。
…等、随所に、鳥肌もんにカッコいいシーンがあります。
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そんな快作ですが、一点、真面目に「それはどうか」と思うことがある。
・太陽系外にある、地球型の惑星に、交信を送りました。
・それを受けて異星人がやってきました。
・ボコボコにしました。
・やったね!人間強い。
なんやそれ。
そもそも、宇宙に交信したのは地球側なのです。
彼らが来訪した理由は「地球侵略」と決めつけられていますが、そうとも思えない部分が多い。「呼ばれたから来てみたら、ボコられた。」が真相だとしたら、そんなひどい話はない。
実際、彼らは、戦意のない子供や科学者は攻撃せず逃がしている。凄く人が良くて温和な種族っぽいのです。
こんなひとたち
もちろん、そんな設定ではないのだろうけども。
「地球人=正義」「異星人=悪」と決め込んでいるところから始まってそのまま終わる。
自称・地球の支配者である人間の、勘違いと傲慢さを感じる。
白人万歳。
マイノリティの排除。
せっかく東洋人や黒人をキャスティングして「自由の国アメリカ」をアピールしてる配慮が台無しです。
それをまた、監督や脚本家が狙っているわけではないところが凄い。天然に「宇宙人倒したぜ、やったね。」しか考えてないのは、最後に「大統領から表彰されて超ハッピー」なシーンを入れてしまうところからも明白。
自覚症状のない傲慢。
救いようないです、人間。
以上、独り言。
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さておき、
そんなこともあんなことも深く考えたらキリがないほど穴だらけな映画なのに、最低映画の賞をとってしまうくらいの酷評なのに、それでも面白い!って、ある意味すごい。
アタマをカラッポにして、その「穴だらけ」を存分に楽しむ映画です。
「ファイア!」