神威杏次 official blog

【俳優・映画監督・脚本家 カムイキョウジのモノローグ】

9・8「座・高円寺2」上映会に向けて。

    2019年初頭からの長~い道のりが一旦のゴールを迎えます。いや、2018年からの…ですね、昨年の短編2本から、同じスタイルで長編を撮る…が今回のコンセプト。

 同じスタイル…とは「できる限りの事は自分がやる」今の自主製作スタイルのことですが、第一の理由は簡単で、今の諸条件(予算等)で撮り切るには、映画を完成さぜて9月8日の上映会に間に合わせるには、それしか方法がなかったから。

 第二の理由、第三の理由…は別にあるんですが、そこはまた別の機会に。

 撮影をプロに頼めば映像のクオリティは跳ね上がる。照明をプロの方にお願いすればさらに桁違いになる。ただ、そうすると時間がかかる。プロフェッショナルが集まった映画の現場に最も必要なものは「時間」であることは、俳優として幾多の現場で、嫌というほど待たされて…もとい、勉強させて頂きました。

 いやほんと、映画って時間がかかる。それはつまりお金がかかる。…と、結局「お金がないから」という至極当たり前な理由に戻っちゃうんですがね。

 この条件であんなにシッカリやれない…ということは、シッカリやってるプロの現場を散々見てきたからわかります。ただ、頼めば手伝ってくれる人はいただろうし、お金をかけずにじっくり撮ることもできたでしょうが、今回に関しては、それじゃダメだったんです。その理由を書き出すと、長くなるうえにさほど面白くない話なので割愛。

 とにかく『今のスタイルで長編を撮り切ること』、そして、なるべく早いタイミングで上映会をやるという目的を、すべてに於いて最優先しました。

 「実現すること」「形にして提示すること」に勝るものはない。

  もちろん「やりたいことをやりたいカタチで出来るまではやらない」という選択も否定はしません。それもアリだと思います、ただ、今回、僕は「やる」ことにした。やると決めたからにはやる。それだけの話です。

 そういう意味で、映画が完成したこと、上映会を迎えられることに本当にホッとしています。

 正直な話をすると…「ドロップキック禁止」「タックル禁止」など、アリ側の執拗なルール変更の要請をすべて飲んで「両手両足を縛られて戦うのと同じ」状態で、モハメド・アリと真剣勝負をしたアントニオ猪木さんの心境でしたけども。猪木さんは記者会見で「それでもやる。なぜなら、どうしてもこの試合を実現させる必要があるからだ」と言った。まさにその心境。「本当はアレをしたいけど無理」「これやれたら嬉しいけど絶対無理」のオンパレードですから、脚本の段階からして。でも、それもこれも、今回、自分が「飲んだ」ルール。

 結果的に、撮影中、最も手強い相手は「天候=ゲリラ雷雨」でした。午後の3時間、なにも動けない状態となり、ようやく小雨になった「日没まであと15分」から、残り10カット以上、しかも本来はじっくりカット割りしてあったアクション絡みの流れを、ノーテスト・オールワンテイクで撮りました。いや、日没になっちゃったんですがね、最後の数カット。それでも、この局面で監督として最もやってはいけないのは「撮りこぼすこと」編集の時点で「素材が何もない」こと。

 自分の出番を終えても、出番がない日でも現場に来てくれて、神威の無茶ぶりにつきあってくれた俳優陣と共に、トラブルだらけの中を疾走した七日間でした。

 結果、ぜひ観て頂きたい映画に仕上がりました♪

 今できる範囲で、自分が考える「映画とはなにか」を必死に入れ込んであります。上映会後にまた「完全ネタバレ解説」でも書きます。今回は長くなりそうですが、解説が。

=======

 昨年から映画製作をはじめて…動いているといろんな「点」が巡ってくる。

 点を線にするには、自分か誰かの強い意思と労力が必要で、勝手に線になることはないのだけど、線になったら面白いことになる。

 あとは、つながるのが早いか疲れてメゲるのが早いか、それだけのこと。

 まだ具体的には何も書けないけど、点さえ消えてなくなることも多いけども、吉報や面白いご報告ができるよう、あれこれ頑張ります。

 来年2020年も長編を撮ります、たぶん。そっちはそっちでゼロから始まるところ。今は次の「カムイ組2020」の形を模索しています。

 まずは、2019年集大成、9月8日、座・高円寺2の大スクリーン&劇場音響で映画をご覧いただける喜び、立派な劇場での舞台挨拶。全力で楽しみます。応援に来ていただけるなら幸いです。

2019年8月28日
神威杏次

▼総合案内、チケットご予約こちらから。