神威杏次 official blog

【俳優・映画監督・脚本家 カムイキョウジのモノローグ】

【復刻】ある闘い-Movie wars-(後編)【加筆・改訂版】

 「実は、今度、奥山さんが日活に入ってくることになりまして…。」

 あの奥山さん…だ。北野映画のプロデュースなどで当時、一世を風靡していたスター・プロデューサー。個人的にはカンヌ・パルムドールの『うなぎ』でお世話になった。あのチーム・オクヤマが日活に??

 Y氏によると、それによって来年以降の日活の企画はすべて奥山さん主導になったと。Y氏や、ここまで企画を進めようとしていた他のプロデューサーたち、つまり「以前からいる人たち」から、自動的に決定権がはく奪されてしまった。…そんな内容だった。つまり、僕の映画の企画は「白紙」。

 誤解なきように補足すると、奥山さんやチームオクヤマが「悪い」という話では決してない。ただ、僕にとっては良くない話だったということ。

 この話は、当時、間違いなくY氏から聞いた話そのままなのですが、いま検索しても、奥山さんが日活に入ったという情報は僕が見た限り出てこない。ただ、WIKIによると、奥山さんは同年初頭に松竹を解任され、この年に「チームオクヤマ」を設立している。日活入りという話があっても不思議はなく、時系列的にも辻褄が合う。最終的に「なくなった話」なのか。そのあたりは定かではない。また、ここに書いていい話なのかもわからないけども、特に名誉を棄損する内容でもないので、問題ないでしょう。

 しかしY氏は、そんな状況の中でも諦めずに頑張ってくれていた。「ジグソーとモーテル、2本セットで、最終企画会議(残り3本)に残っています!と吉報が来た。

▼いやだから、いまより全然、絵がうまいW

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 その結果も…負けたのですが、ひとつの理由として「製作が決まった企画には、一千万円の自己資金があった」「それも大きかった」という話まで聞かせてくれた。
 
 さらに後日談を書くと、ここから半年くらい後だったか、Y氏に連絡をしてみると「結局、あの会議で通った企画も、結局、お蔵入りしちゃったんですよ」とのこと。本当、大手で企画を実現するまでには、そこまでのハードルがあるということ。

 どう表現していいかわからないくらい…落ちた。

 いまさら俳優一本に復帰する気力もわかず、ここからしばらくは「何もしたくない」メンタルまで落ち込んだ。

 今思うと、それでも「絶対やってやる」という気力が残っていれば、それまでに引っかかっていたどこかで、映画を実現する方法はあったと思う。メゲずに頑張れば、きっといけたと思っている。ただ、なにせ、気力が失せてしまった。

 そこからは、俳優としての営業も止めたまま、先方から頂いたオファーだけをこなす日々が数年続いた。 

 実は、またまったく違った作戦で、そのあとも数年は映画実現を目指して動いていたのですが…その辺から話を続けると、どんどん違った方向の話になってしまうので…、その先はまだ書かずにおきます。そこはさておき…

 どーん!と話が飛んで2018年

 「あの頃にやろうとしたことの一端を、どんな小さなバジェットでもいい、なにかしらカタチにしておこう」…そう思ったことが、今年、短編映画を2本撮った理由。

 もうすぐ上映会を迎えます。僕が大好きな人たちの前で、僕を好きでいてくれる大切な人たちの前で、小さいながらスクリーンに流せることを…その嬉しさを、心から噛みしめたいと思います。

 長文、お読みいただいた方、ありがとうございます。

 神威杏次