映画は「残る」ことが強み。かたや演劇は「残らない」ことが強み。土俵が違う異種格闘技戦。そもそも比べることが野暮なのだけど…。
※後半はそんなお話。その前に…。
先日のこと「恐竜戦隊ジュウレンジャー」や「仮面ライダーJ」の主役で、現在でも絶大な人気の望月祐多さんが経営される三穂の郷農園様が「自然栽培フェア2018」でブース出展するということで「これはチャンス」と会いに出かけた。
望月さんとは四年前にFacebook上で再会はしていたのですが、リアル再会はこれが25年ぶり。Facebook上で「いつか再会を」と言い合っていただけに「これはチャンス!」だったのです。
会うなりハグ、抱き合って再会を喜んだ。2日間開催されるフェアは長丁場にも拘わらず、たまたまそこに数人の「仮面ライダーJ」ファンの方がいらっしゃり、僕をみつけてくれた。記念撮影などしつつ、とても喜んでくれたことが、僕も物凄く嬉しかった。中には「昨日、映画を再見したばかり」という方も。
つまり「25年前の、映画の中の僕や望月さんの姿にリスペクトをしてくれて、今、目の前にいる僕らにも、同様のリスペクトを向けてくれている」ということ。
これは素晴らしいこと、特撮ファンの暖かさは尋常ではない。
僕が映画やテレビに出ていたのは、もう10年~30年前のことになり、ネット上の自分の情報さえ、当時に比べてかなり減ってはいるわけで、いずれは、僕ごときが存在したことなど忘れ去られていくでしょう、それは仕方のないこと。ついでにいうと、僕自身もいつかはこの世から消え去る。
ただ、それでも「映画」は残る。映画の中の神威杏次(狂児)は、半永久的に生き続ける。ここが映画(映像)の最大の強み。
余談ですが、僕が行った一時間ほど前に、当時子役で出演していた野村祐香ちゃんが来ていたらしく、もう少しで、それぞれ25年ぶりの「奇跡のスリーショット」が実現していたと思うと惜しいw
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僕が撮った映画は2本とも短編。だから、どう転んでも一般映画(長編)の部類には入らない。今年(2018年)「クライング・フリー・セックス」という短編が映画館で単独上映されたという稀な例もあるけど、普通はない。だから「マイ・ガール」や「アンナ」の出演者たちにとって、それがそのまま金字塔になるようなことは考えにくい。映画の出来不出来の問題でも、製作がメジャーかマイナーかでもなく、単純に映画の尺、短編映画という性質的に。
ただ、彼らが、映画の世界、それもインディーズではなくメジャーリーグのグラウンドへ出た時になにかしらの糧になってくれたら。そんな想いでカメラを廻した。
本当の「映画の強み」を実感できるのはずっと先のこと。どうせならすぐに実感させてくれたら良いのだけど、世の中って意地悪にできているんだ。
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冒頭のお話…、
かたや演劇。こちらは「残らない」一過性の魔力が最大の強み。
「今、そこにしかない」一過性の風景には魅力がある。だから、演るほうも観に行く側も熱があがる。役者たちはアルバイトをしながら、決して少なくない日数、自前の交通費で稽古場に通い詰める。稽古後の飲み代なんて、一体いくら使うんだろう?w そこまでさせる力は麻薬に近い。
そこは、単純にうらやましい。そして、ちょっと悔しい。こと興行・集客という意味では、僕らのようなインディーズ映画の上映会など、かけだしの小劇場演劇にさえボロ負けする。それが事実。
現在、11月17日の映画の上映会の準備と並行して、脚本・監修でかかわる舞台「獰猛犬」の稽古が進んでいる。両方に関わりながら、思うところはいろいろある。
いずれにしろ…映画でも演劇でも、なんならビジネスでも会社内の仕事でも、そのために頑張る人間の姿はみんな同じで「今、ここにしかない景色」には違いない。