バイクに乗っていた頃は、車がウザくて仕方なかった。
道路をすり抜けて走る自分にとって邪魔な存在だからだ。
全力でバイクを擁護する発言をしたはずだ。
今、車に乗ってると、バイクがウザくて仕方ない。
死角から突然現れたり、危なくて仕方ないからだ。
今なら、間違いなく車派にまわって熱弁をふるう。
人の思想なんて、割りといい加減なものだ。
要は、現在の自分にとって都合の良い方に肩入れする。
価値観は、境遇によって作られていく。
自分の体験したことに関しては、優れた学習能力が働くくせに、
未体験の事柄や他人の痛みには本当に鈍感だ。
自分が同じ境遇になって初めて、誰かの気持ちがわかる。
親はそれがわかっているから、子に多くを語らない。
「そのうちわかる。」そう言うしかない。
さらにいえば、両方を自分で体験したとしても、
過去の自分の痛みさえ忘れがちだ。
常に、現在に即して価値観が動く。
それとも確信犯か。
忘れてるふりをしてる…のかも。
今の自分にとって都合のいいほうに。