男女のケンカって決着がつきません。
どちらかが疲れて終わることはあっても、どちらかが折れて終わることはあっても、明確な勝敗はつきません。
なぜなら異種格闘技戦だからです。
陸の上では虎が勝つ。海の中ではサメが勝つ。
違う動物だからです。むしろ決着をつけちゃいけないです。
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男は、大抵、答えを出そうとします。勝つにしろ負けるにしろ、いま問題になっているポイントに対しての答えを出そうとします。
そのほうが傷が浅いという利点はあります。「わかった『それは』俺が悪かった。」…他のことは悪くないんです。悪くないことにします。だから全人格までは傷つかない。そして「じゃ、こうすることにしよう。」という答えを出して解決です。
それが普通の「試合の終わらせ方」です。格闘技でレフリーが両者の間に飛び込んでゴングを要請するアレです。「【今回は】こっちの勝ち!」ということ。男女に限らず、大人のケンカは大抵そうやって終わります。根本的な決着をつける必要はない。
かたや女性は、論点を拡げがちです。「あの時だってああだった」「あれも本当は前から嫌だと思ってた」と攻撃材料を増やしていきます。本当はってなによ。
深く切り込んで話し合える利点はあります。ただ、それではケンカはなかなか終わらず、時には致命傷を負います。レフリーのいないデスマッチです。根本的に決着をつけたいわけではないけども、ケンカを始めた以上、求めるモノを得たいのかも知れません。
そこで男側にとっては、女側の求めるモノがいまいち理解できない。「共感が欲しい」とか言われても「共感してるやん。」「全然してない」となる。
あるいは、意図的に別れたい場合も同じ流れになります。
ポイントは「決着をつける」=あらかた「別れる」という結果になることです。
違う動物なので。
わかりあえないのが当たり前なので。
「わんわん!」と「にゃ~にゃ~!」で会話しているようなものなので。
とことんわかりあうまで話し合うという時点で、ほぼ無理です。
わかりあえるなんて幻想は捨てましょう。前向きに、あきらめましょう。
現時点で理解できる、共感できる部分を最大限に尊重して、楽しく仲良く暮らしてください。ちゃお。
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「ブルー・バレンタイン」
何度かブログに書いている映画ですが…。
これはやばいです。リアルすぎます。
ラブラブなころはすべてが輝いていて、
ダメダメなときは何してもダメ。
ダメ男とダメ女のダメダメストーリーです。ダメいいすぎ。
ディーンは、学歴もなく、肉体労働の安月給仕事だけど、それなりに楽しんで過ごしています。なにより家族を愛して、シンディの連れ子とも、とても仲良く暮らしていました。ディーンにとっては、シンディの文句の「意味がわからない」のです。「これ以上、何を望むんだ?」「家族のために働いてる」「子供ともうまくやっている。」「何が不満なんだ。」。
かたやシンディは、別れたいと思ったきっかけは他の男との浮気で、その人と彼を比べてしまったからなんですが、それはただ考えるきっかけでしかなくて。だから、説明を求められると積年の彼への不満を羅列するしかない。
ただ、そこで今さら本人をボロクソにDISっても仕方ないことはわかってる。だから言いたくない。でも言わないと相手が納得しない。「面倒くさい。とにかくもう嫌なの!」となる。
きっつい映画ですが、
ラスト、ラブラブなころの二人、結婚式の時の風景が流れ、エンディングでは初デートの時に彼が歌った曲が流れる…あたりは、めっちゃ切なくて良いカンジです。