神威杏次 official blog

【俳優・映画監督・脚本家 カムイキョウジのモノローグ】

すべてはプロレス

「ビヨンド・ザ・マット」というプロレスの裏側を描いた映画がある。 2001年、アメリカ最大のエンターテイメント企業、WWF。 試合前にレスラー同士が打ち合わせをする姿を写し、彼らの日常にスポットを当て、 命がけで戦う男たちとその家族の悲哀を描いた…

考える前に走ること

人間五十年、下天のうちにくらぶれば、夢幻のごときなり。人生、50年くらいでちょうどいい。いっそ、生まれた時に、全員に時限チップを埋め込んで、50歳の誕生日に自動的に消えるシステムにすればいい。それで、高齢化問題、年金問題も解決♪老後が存在し…

かんたんすぎて難しい

かんたんなことが一番難しい。 世の中の大抵のことは、めちゃシンプルにできている。本質的には、かんたんにできている。 だから、進む時は、いとも簡単にスイスイ進む。 だから、袋小路に陥ると身動きがとれなくなる。 本質が簡単すぎるから、その簡単なこ…

飛距離

とある強烈な女性作家の小説を何作か読ませていただく機会に恵まれた。 ご本人から承諾をとっていないので、その方を特定できる情報は書けないけど。実は、ご本人が俺宛てに「読んで欲しい」と何冊か、わざわざ送ってきてくれているのだ。 それが、仮にまっ…

湾岸道路

「元気でいろよ」のひと言を残して 彼はあの年の夏の彼方へ消えてしまった。 あとに残された彼女としては 自分もどこかへいってしまうほかに 充実した生き方はなかった。 ふたりともいなくなり 陽が射して風が吹き これ以上のハッピーエンドはどこにもない。…

座礁船JANE

宮城県沖に座礁したロシアの貨物船「JANE号」 撮影は2008年ごろだったか、映画「新宿インシデント」のロケでジェーン号をナマで見る機会に恵まれた。 いやすごかった。 これまでの人生、ナマでみた風景の中で一番「怖かった」。 早朝に現場につき、手前…

大人の恋愛小説 「小説版 あらしのよるに」

「あらしのよるに」の小説版を読んでみた。 原作者が「決定版」だと言い切るだけあって完成度は高い。 ガブ(狼)とメイ(ヤギ)の性別を明言しなかったことは、この作品を奥深いものにした要因のひとつだろうが、この小説版でメイを女性的に描いたことは原…

東京の青い空

東京のいくつかの駅が地下化した。 東横線・渋谷駅、小田急線・下北沢駅、世田谷代田駅。それも半端な地下じゃない、地下5階。世田谷代田駅の階段など、もう笑っちゃうくらい凄い。 どんだけ地下に潜るんや、と。 先日、渋谷駅の地下から群衆に紛れて地上を…

壮絶に生きるということ。生きるという壮絶なこと。

ひさびさに妙なシンクロニティを感じ、不思議な気分にさせてくれた映画、 「ライフ・オブ・パイ」(劇場公開中) 「ん?これって…俺が最近、考えてることに似てる。」という感覚。偶然の一致なのか、なにかの因縁なのか、こういうことはたま~にある。 この…

生きる意味

元来、人間が生きる意味なんて何もない。 人間は、動物、植物、花、木…あらゆる生命と同等に、地球の…宇宙の…構成物のひとつに過ぎない。 地球の支配者となり食物連鎖から逃れたために、繁栄し知恵をつけ長寿を得てしまったがために、生きるためには…様々な…

嫌悪感の正体

ジョン・カーペンター監督の「ゼイリブ」と云うSF映画があります。普通に娯楽モノとしてかなり面白い映画だけど、この映画が訴えかけている事…テーマはかなりブラック。そして、映画から25年近く経った今、カーペンター監督が危惧したことは、まさに現実…

重い映画の名セリフ集 「セブン」「オールドボーイ」「アメリカン・ヒストリーX」

我が家に大型液晶テレビが導入された。 世の地デジ化商法にまんまと乗せられるのが悔しくもあって、また、普段さほどテレビを観る人でもないので、まぁそのうち、くらいに考えていたんだけど、買ったら買ったで、やはり大画面で映画を観れるのは嬉しい。 <広…

crazy baby kamui

昨日、なにげにネットをみていたら、ウィキペディアの英語版?のようなサイトに行き着いた。ウィキの正式な英語版ではないようなのだが、内容はウィキペディアをそのまま転載してる。 開発中なのか?なんなのか?やや意味不明ながら…。 そこでちょっと笑える…

混沌

2010年が終わる。 丸一年、俳優の仕事を請けなかったのは、ここ19年間で初めてのこと。撮影現場に出たのも、3月の映画が最後。 その間、俳優・神威は氷の中でずっと眠っている?状態。その間「世を忍ぶ仮の姿」である人間・神威は生きているわけで、…

幻想か希望か GANTZ 撮影現場

※画像追加:2014年 パンフレットより その日は朝から、ある特別な想いが胸に去来していた。 半年ぶりの撮影現場。昨年の秋に請けた仕事の残存。ポツンと一日だけ離れて、スケジュールが決まっていた日。 昨年秋にお話をいただきながら、スケジュール含む諸事…

ムチャ

俳優として生きてきた中で、何度か無茶をした記憶があります。 周りから見たらバカとか身の程知らずな行動なんだけど、根底にあるのは、現状を打破したいという純粋な想いゆえ。その時その時は、自分の中には確固たる…どうしてもそうしなければ納得いかない…

さらば相棒

今月末で、4年間連れ添った相棒に別れを告げる。 1994年式セリカ。 頑丈なトヨタ車とはいえ、さすがに15年走るといろんなところにガタが来る。 たとえベンツを買える資金があってもコイツを買った、というくらい好きで乗っていた「四ッ目セリカ」だけ…

やるからには…

本日は某・映画の衣装あわせ。 「諸事情で、しばらくスケジュールがとれない。」と、一度は丁重にお断りした仕事ではあったけど、数日後、「年末に一日、来年3月に一日、計2日間で、なんとかなりません?」と、あらためてのオファー。 こんなワガママ俳優…

「あばしり一家」記者会見

映画「あばしり一家」の記者会見に出てきました。 photo(C)毎日.jp photo(C)ORICON DD INC とてもリラックスした雰囲気で、楽しんできました。 映画は、11月21日、東京・渋谷HUMAXシネマにてレイトショー公開。 公式サイトです。↓ http://www.abashiriik…

神威になった日 THE KAMUI 

ひさしぶりに、竜童組の名曲「ザ・カムイ(THE KAMUI)」を聴いた。 実はこの曲が好きだったから、後々「神威」と名乗ることになったと云う、僕にとっては一生忘れられない曲なんです。 1987年頃に、当時ダンスを教えてくれていたダンサーの女性がジャズダン…

史上最大の「読み」間違い。とある衣装合わせ顛末記。

いや、確かに、脚本をしっかり読んでなかった僕が悪いです。 でも、これはちょっと‥脚本の書き方がわかりにく過ぎるんじゃね? ‥‥ 今回ほど、自分の役柄を明確に勘違いしたまま衣装あわせに臨んだのはさすがに初めて。‥という話。 某・深夜ドラマの撮影に入…

「あばしり一家」初号試写

昨日は、映画「あばしり一家」の初号試写(関係者試写)。 試写に、原作者の永井豪先生が観にいらした時点で舞い上がる。 上映後、挨拶させていただいたのですが、もう完全に舞い上がって「先生の大ファンです」ということを伝えるだけで精一杯。 以前にもブ…

諸行無常 パピヨンの死

大阪の実家から家族がひとりいなくなった。 パピヨンのナナが死んだ。 12歳くらい…だから、犬としては寿命に近いのだろう。 母はずいぶん前から独り暮らしが長く(今は兄と二人だが)一時期、心身ともにかなり心配な時期があった。12年前、ペットショッ…

撮影日記その2

祝・クランクアップ! 真ん中が石井てるよし監督。&一家勢ぞろい。 早朝にアクションシーンの撮影→高速すっ飛ばして帰京→東京での仕事を終えて夜には御殿場に舞い戻る‥なんてハードな日程もあったけど、一週間、ホテルの同じ部屋で過ごすと、東京から御殿場…

たまには撮影日記

神威のブログはブログじゃなくてコラムなもんで、よくみんながやってる日記ブログは書いたことなかったけど、たまにはやってみようかと。 御殿場ロケも半分終了。現場とホテルを往復の毎日が、豚インフル?なにそれ?と、シャバの空気にうとくなるプチ浦島状…

SOS

数ヶ月前、 近所のレンタルビデオ屋さんの店頭にこんな張り紙が。 「レンタル利用が激減していて、このままではお店を維持できません。皆さん、もっとレンタル利用してください。」 さらに、営業時間を夕方6時から深夜1時までに変更、との告知。その文面の…

俳優休業

今週、ドラマの撮影が終わったら、しばらくの間、俳優休業宣言です。 3ヶ月なのか、半年なのか、期間は未定ですが。ここのところ、例年に比べたら撮影に出る機会が多く、現場感覚も取り戻してきた矢先、ちょっと残念だけど、そもそも、1997年以降は半分以上…

宣伝アンド近況

ごぶさたです。長らく更新せずスイマセン…。 ひさびさのブログでなんだろね?と思わせつつ今回は、単なる宣伝と、ついでの近況報告です。最近、なんだかちょっと俳優づいてます。 今は、俳優に全力投球、というわけにいかない事情もあり、年間、ほんの数本し…

悪魔

『企業は法人という人格を与えられ「人」として 扱われます。じゃあ、企業をひとりの人間として 精神分析したらどうなるか? 症状=「極端に自己中心的で他者への思いやりがない。」 「慢性的な嘘つきで後悔や罪悪感が無い。」 「自分の行動に責任が取れない…

原点

100本目の撮影に入っています。 もちろん、映画・ドラマ・Vシネマなどの映像作品の出演回数です。レギュラーや2話出演は1本と数えてのものなので、正確には「100作品目」ってこと。 ただ昔から「やりたくない仕事10本よりは、やる気になれる仕事1…